右腕は誤植   牟礼鯨

  • 投稿日:2018年04月14日
  • カテゴリー:, 俳句

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右腕は誤植   牟礼鯨

惑星の幼き海へ鳥帰る
春闇へ繋ぐありあはせの臓腑
人となるまでの塒を囀れり
亀の喉ゆるむ処女膜はりかへて
フランケンシュタインの目蓋は菫
霞吸ふ注射痕から出でまほし
ゆくゆくは雲を実らす柑接木
蜂男虻男ゐる吉野家に
遺伝子を組み換へ左腕は春
舌で押す扁桃腺や春の星

牟礼鯨(むれ・くじら)
1984年冬、静岡県熱海市産まれ。2014年春に作句開始。
同年秋に花鳥入会、サーファーに師事。2018年に花鳥同人。現在、静岡県浜松市在住。

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