予告篇 鈴木一平

自由詩鈴木130308

予告篇 鈴木一平

久しぶりに
仙台平野の一面に
青白い草が生えている
中指が風に揺れている
開きっぱなしの
駅前にある、喫茶店のドアを開け
なんでもいいから温かい
においのする局部に従って
市役所の壁に
吸い込まれていく左半身を
ブランコのようなかたちにされても
許せなかったことしかないよ
あなたはキャンペーン中だった
ドアの内側
献血をするともらえるドーナッツを
お金に換えて
もう少し大きいドーナッツを買って
首を吊る人が増えている
ここから
バスで二時間かけて
生まれた沼が
半分ずつ切り落とされていく
世の中のことを考えている
病気だよ
つながっていた
川の向こうは
湿った
コンクリートの壁が匂っている
そのため
南へ進路を取れないものたちが
水草を噛みながら
横たわっている

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