舞台 来住野 恵子

【9月20日掲載】自由詩 舞台

舞台 来住野 恵子

みどりの頭蓋を捧げ持ち
日没へ向かう
魔除けのローズマリー一枝
鼻腔から瞳に抜け
まばゆく香る
瞬きも凍る
真冬の地殻変動
葬ってしまえば
底なしの〈いる〉が雪崩れ込む
 
荒波のタトゥー
西空は破れ
木の葉のように乾いて燃え尽きる
皮膚から灰の港へ
〈いない〉熱砂を運び
嵐を待って吹き飛ばされる
砂漠の航海
祈る手のフラジャイル
砂の数より星の数にうなされ
煌びやかな不眠の闇を蒼く明滅する
 
いかにも供物はおまえだ
〈いる〉〈いない〉地上の無言劇
いずれささやかな祝砲が鳴るだろう
献花なら雪のひとひら
ほら
ことばばかりの台本を
みんな食べてしまった
山羊が
てんてんとしろい夜空をあるいている

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