雪の朝 音羽 紅子

雪の朝
音羽 紅子

農場に越して二度目の冬なりぬ
ストーブの音聞いてゐる夜明けかな
毛布出て昨日のスープ火にかけて
鶏のそろそろ鳴くか雪の朝
牧舎へと凍れる道を行きにけり
立ち入り禁止牛舎に氷柱できてをり
雪止んでうつすらあをき空なりぬ
近道と畑を抜ける冬帽子
通勤の人にまぢりて雪の道
一日の始まり並木凍ててゐる

音羽 紅子(おとわ べにこ)
1982年生まれ。19歳より早稲田大学俳句研究会にて俳句を始める。
北海道の風土を詠む俳誌「ゆきしづく」を主宰。句集に「初氷」、詩画集に「わたしとあなた」。
日本伝統俳句協会会員。

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