ぬんでぃがぬんでぃが    屋良健一郎

ぬんでぃがぬんでぃが       屋良健一郎

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サキちゃんは戻らなかったカーニバルのお化け屋敷に入ったっきり

放課後の外階段に告げる愛をぬんでぃがぬんでぃが米軍機ゆく

未遂なる愛を反芻しておればぬーでぃーちーちーしてくる夜半

「朝焼けに基地が燃えてる」(抱き寄せて)あじくーたーなキスをしようよ

銃を抱きしめる力に迷彩の幌の内には満ちいん、慕情

クラブ「アマゾネス」に降りるシャッターのコザの快楽けらくの果てなる仮眠

特飲街跡の昏きを行く時のわれも等しく男根を持つ

空をぶつのみの拳は尊かりけれど寂しきシュプレヒコール

精高子せだかこが)にるや底へと急降下(聞得大君ぎや)してゆくミサゴ

やがてやくされるひとりに逆修ぎゃくしゅのあけもどろ咲く フェンスの向こう

作者紹介

  • 屋良健一郎(やら・けんいちろう)

1983年、沖縄市(コザ地区)生まれ。2004年、竹柏会「心の花」入会。2005年、第5回「心の花賞」受賞。2006年、第1回「おきなわ文学賞」受賞(短歌部門)。

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「作品 2012年8月3日号」の記事

  

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