フィロソフィア   伊藤浩子

  • 投稿日:2017年05月13日
  • カテゴリー:俳句

俳句伊藤

フィロソフィア   伊藤浩子

枯井戸は幻灯げとうばかり盛る初夜

月虹に陰さえ叫ぶ兄の戸よ

薄明や異世に渉る蝶はるか

日没は浪に揺蕩う幼年とや

波がしらに勃つ寂性の閾値とて

熱林の子らが掌合わす虚体かも

火を噴いて樹木も鳥も寂韻か

サントームと薔薇紅を咥えては

巡霊の異化さえ透ける影遊び

忘却の途に名を記す雨すだれ

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