横臥漫録   菊池洋勝

  • 投稿日:2019年12月14日
  • カテゴリー:俳句

1214

横臥漫録   菊池洋勝

立ちバックする足がある春の夢
精子より生えて揃うや蝌蚪の足
天丼の蓋がのらない桜蝦
冷蔵庫に退院したる子のミルク
ガソリンと知らずに運ぶ夏の果
軟膏を塗る恥部を出す梅雨晴間
溲瓶当つ尿も大暑の熱さかな
西瓜恋ふ遺骨となりし喉仏
万歩計にカウントされぬ踊りかな
歳時記にヌードの栞秋深む

菊池洋勝
先天性筋ジストロフィー。人工呼吸器を着けて在宅療養しながら認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク
( @tochigivnet )発行のボランティア情報に表紙イラストを連載している。
病床にあって執筆した正岡子規にリスペクトして俳句を続けている。
共著『「屍派」アウトロー俳句(河出書房新社)』発売中。

タグ:

      

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress