冬晴れの路上で 浜田優

自由詩浜田130308

冬晴れの路上で 浜田優

冬晴れのある日
高層ビルの一角がくぎる路上の日だまりに立ってあなたは
目の前で垂直の穴がぽっかりと口をあけているのを
見たことがありますか
見たことがあるならあなたはきっと
その穴のなかへひとり、理由もなく
墜ちていったことがあるでしょう
そこであなたは、冬晴れのある日
路上で起こっていたのに誰も気づかなかった無言の惨劇を
もう一度、最初から最後まで見たはずです
そのあとであなたは
目の前で垂直の穴がぽっかりと口をあけているなかに
墜ちていくあなた自身を、見たはずです
あなたは水平に墜ちて、水平に抜け出しました
そのとき路上では、一日分の光線が、ほんの数秒で
かたまり、くだけ、散り払われていました
その間じゅう、あなたは絶叫していたはずです
そしてすぐに忘れてしまったのです
目の前で垂直の穴がぽっかりと口をあけているなかに
墜ちていった、あなた自身を

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