白鳥陵 山田兼士

自由詩山田130524-1a
自由詩山田130524-2a

白鳥陵 山田兼士

住宅街の路地を抜け
土の道に入る
「マムシ注意」の立札を横目に
五十歩ほど歩くと視界が開け
小山の上であることに気づく
ここも古墳だ
 
展望台から眺める
近つ飛鳥は
右遠景に二上山
左近景に白鳥陵
ああ 
古代の風景だ
 
ビルや家々を
脳内のCGから消すと
見えるのは田 畑 森 野
少女が走り去る
むかしの子だ
(こだいいらいいたこ)
 
あの巨大古墳を造るのに
何人が 何時間 何日間 
何年間 働いたのか 
その生活に思いを馳せる
役人に強いられた
苦役の日々だったのか
 
それとも 
楽しく 和やかで
豊かな 労働だったのか
そうあってほしい
古墳の町で 
そう願う
 
濠に浮かぶ 喜びの島
白鳥陵

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