ともしび 野村龍
あなたは わたしに星を尋ね
わたしは 期待を閉じて それでも待つ
あなたの なめらかなくちびるから漏れるあなたの声は
指の ようにわたしを探り分け
閉じた はずのわたしを開いてしまう
わたしに ともしびをいっせいにともして
かけていく あなた
あなたが まぼろしなのかどうか みとおせず
あなたの 指が押しひらいた割れ目から
ともしびが ゆるやかにあふれでる
こらえても こらえても あふれでるのに
期待を 閉じて待つと かたくなにつぶやく
あなたの うしろすがたがいつもそばにあって
どんなに こらえても わたし
ふるえながら燃えてしまう