硬水 佐峰 存 

詩客_157号_自由詩_佐峰存_改訂後-1
詩客_157号_自由詩_佐峰存_改訂後-2

硬水   佐峰 存    

海が金属の先で光っている
朝靄の冷気にのぼる花
流れる指 時間が吹いて
こぼれた枝のよう 土へと
境界のない 地層へと
潜めた脈の銀色
重力を転げてきた腕が揺れている
飲み込まれていく 水平
髄を満たす砂
 
乾いた粒が
大気に分泌され 私達の雲となり
射し込むオベリスク
行き交う車体の火
宙に落とされた鼻筋に
照らされて
 
鉄に打たれた道と
熱から伸びおりた神経
木葉の管を走らせて 電線
空の開示 相対する眼
歯と歯の硬度
ぬかるみに
皿の白地に 塵のように浮かぶ
小さな隕石のはばたき
 
さらされた指紋をつまむと
結び目が引き絞られて 一本ずつ
消したり 無限にしてみたり
液の蛍光に染まる 惑星の隊列
あなたは丘をのぼり
生まれていく 長い分子を引いて
腹の暗がりを伝って
繋ぎました 源へと
吸い取られて 静けさへと
 
ひとりでに獣は
駆けていくものだから
指が包んだ金属も 振り切って
行き渡る丘陵はとめどない
響きと共に投げ出され 分解していく   
どこまでも こたえる
海原の青い瘤だ

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