再会   岡田ユアン

0613

再会   岡田ユアン

エジプトの壁画にある神官のような横顔で
子は ラーラーと泣いた

朝の気配などまだどこにもない空間
それどころか
瑠璃色の宇宙を閉じ込めたような一室で
見知らぬ海のさざ波を生むように 
張りつめ ふるえる声
祈りのようでもあり
哀しみのようでもある響きに
まだ 母になりきれない女は
うろたえ 畏まる

女の様子を感じとったのか
いっとき泣き止んだ子が瞼をあけ
はじめて女を見る

瞳には 生まれたばかりの
双子の惑星が浮かんでいた
それは 現時にいたるまでのはるかな物語を
せつなに読み解いたような光を放ち 
懐かしさに満ちていた

手にあまる 小さな火色の命に恐れをなし
女も 子をまねて
ラーラーと泣いた

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