冬の太陽   暁方ミセイ

0109

冬の太陽   暁方ミセイ

光は高純度
あんなにぺらぺら折れながら
酸素もない場所を通ってくるのに
わたしは温かな生命活動を
まだ続けていくのが悲しかった

現実よりも
もっと現実であるもの
わたしの感知にかすかに触れるもの
一瞬が凍りついて
その氷の塊のなかに見えるのは
しかしやっぱり
子供の頃の赤いコート、
冬枯れの木立、
思い出、
そのようなものばかりだった

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