遠くの空に   後藤和彦

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遠くの空に   後藤和彦

もんちっちとライオンが
ぬいぐるみの部屋で寝ころんでいる
そんな夢がけっこうあった
大きくなるとなんにもいない
動物たちさえしりごみしてる
ぼくらのとこには友達しかいない
好きな人はいるけれど
大切な仲間ばかり
へんてこなこころとは出会うことがない
動物たちは来るけれど
別のこころと出会うことがない
うまく出会わないようになっている世の中
へんてこな心と出会いたい
けれど出会わないようにできているよのなか
似たものと暮らしてしまう磁石みたいなよのなか
もっと違ったはず
ほんとうにシロとクロがひっついちゃうような
パパとママがひっついちゃうような
そんな世界が現実だった
けれど今はそうはならない
にかよった色のグラデーションの世界
もんちっちとライオンと遊んでいた頃
ほんとうにばかみたいな組み合わせのなか
ばかみたいな声と声
ぼくら遊んでいた
けれど似通った斉唱
似通ったあいづち
どこかで聞いたような言い回しの会話 
マニュアルみたいな笑い方
束ねられたわら
仲良しの仲間たち
似た顔と似た言葉

人間とか、動物とか
派手な色使いの壁にかけられた地球の絵は

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