日日の毛羽立ち
森川雅美
神経が毛羽立っている雨音が大脳皮質に落ち続けている
ぼくたちは病んでいるねと呟いてアイスクリームはまだ溶けている
ぼくたちはよおういどんでいっせいに走りはじめたけど止まれない
半時のゲリラ豪雨にずぶ濡れて一日生きたからだ感じる
水の字のはねに似ている一日をきみと二人で陽だまりにいる
背中から崩れ落ちいく日常をお道化た足で歩いて見せる
楽し気な会話の後の沈黙に堪え切れずにお道化てしまう
人殺ししたくなる朝団子食う明日は台風日本上陸
人殺ししたいと独り呟いてそれはダメだと独り応える
酔い覚ますため川べりにうつ伏せば濡れた草葉が頬をくすぐる
真夜中に夏草のうえ仰向いて葉擦れや星の輝きを聴く