自伝のためのソネット 野村喜和夫
ある日 私は17歳で
ざらざらした角材のやうに
世界ときそつてゐた
またある日
私は10歳で 風ときそひ
びゆんと鳴る冬の送電線だつた
だがそれら風や世界と
何を私はきそつてゐたのだらう
問ふまもなく行為はひとを
光のやうに突き抜けてゆく
のだとしても いま
夏草の茂みを分けて
奇跡さながら
きみの肢体があらはれる
自伝のためのソネット 野村喜和夫
ある日 私は17歳で
ざらざらした角材のやうに
世界ときそつてゐた
またある日
私は10歳で 風ときそひ
びゆんと鳴る冬の送電線だつた
だがそれら風や世界と
何を私はきそつてゐたのだらう
問ふまもなく行為はひとを
光のやうに突き抜けてゆく
のだとしても いま
夏草の茂みを分けて
奇跡さながら
きみの肢体があらはれる
© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.
This blog is powered by Wordpress