きれいな猟奇 伊藤浩子
乳白色に染まった樹々の輪郭に
老婆は咳き込みながら
(売れない花を踏みつけていた)
修道女たちの祈祷に躓く
性徴は
裸を盗んでも罪には問われない季節の
余剰だったから
ねえ、その肉の突起が無聊ね
切り取って
溜池の肉食魚に与えましょう
やっと取り戻した自由に
アンビバレントな積乱雲さえ
双子の小人症の
沈黙が快楽のトリガーとなって
(八重歯が汚い)
賛美歌がきこえる
物憂い虹彩と
時間の
溶ける
舌下腺せよ
きれいな猟奇 伊藤浩子
乳白色に染まった樹々の輪郭に
老婆は咳き込みながら
(売れない花を踏みつけていた)
修道女たちの祈祷に躓く
性徴は
裸を盗んでも罪には問われない季節の
余剰だったから
ねえ、その肉の突起が無聊ね
切り取って
溜池の肉食魚に与えましょう
やっと取り戻した自由に
アンビバレントな積乱雲さえ
双子の小人症の
沈黙が快楽のトリガーとなって
(八重歯が汚い)
賛美歌がきこえる
物憂い虹彩と
時間の
溶ける
舌下腺せよ
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