砂 鈴木 康太

砂 鈴木 康太

魚のいる海に囲まれた時間
人間らしさの底にいる
浮かぶのは容れられないもの
下から
えぐられた岬がゆれうごくのをみている
(短い間)
(かなり短い間)
(長い間)

光の余りの上に傘をさして守っている小さく破られた鱗が、川上から次から次へ流れて寄って、その中で縛られた風と雨が忘れたように繋がっていった。

私はあなたの踊りを
細い線になりながら囲んでいる
そうすると
あなたは私のしこりになる
ほぐしてくれるのは
ひかりの穂
あなたの掌
まだ柔らかい

「なかば水に浮き、陸に乗りあげているあなたでした」
「なかば乾きながら、潤っていたあなたでした」

「止まる線が点でした」

あなたは私の踊り
あなたは私のぬれた固まり
あなたは私の
あなたは私の

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