悪童 永条風興
鷹渡るかつての貝殻追放へ
老画家も時計も宙を見ておりぬ
白鳥はかえらず父の薄化粧
静電気のようにドーベルマン愛せり
悪童のながき睫毛の絶海や
微笑みの聖家族より鬱の香が
愛咬の地中海こそ渇くべし
寒明けの覚め際をふと鳥の首
天も地も波打つものを
目瞑りぬかの惑星のうすごおり
永条風興(とおえ・かざおき)
歌人。無所属。
悪童 永条風興
鷹渡るかつての貝殻追放へ
老画家も時計も宙を見ておりぬ
白鳥はかえらず父の薄化粧
静電気のようにドーベルマン愛せり
悪童のながき睫毛の絶海や
微笑みの聖家族より鬱の香が
愛咬の地中海こそ渇くべし
寒明けの覚め際をふと鳥の首
天も地も波打つものを
目瞑りぬかの惑星のうすごおり
永条風興(とおえ・かざおき)
歌人。無所属。
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