悪童   永条風興

  • 投稿日:2018年02月10日
  • カテゴリー:俳句

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悪童   永条風興

鷹渡るかつての貝殻追放へ
老画家も時計も宙を見ておりぬ
白鳥はかえらず父の薄化粧
静電気のようにドーベルマン愛せり
悪童のながき睫毛の絶海や
微笑みの聖家族より鬱の香が
愛咬の地中海こそ渇くべし
寒明けの覚め際をふと鳥の首
天も地も波打つものを海猫ごめ鳴いて
目瞑りぬかの惑星のうすごおり

永条風興(とおえ・かざおき)
歌人。無所属。

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