静止   篠崎央子

  • 投稿日:2022年03月05日
  • カテゴリー:俳句

34s

静止   篠崎央子

水音を集めて梅の里となる
やきそばは半額梅が枝は湾曲
立ち退きをせぬスナックのクロッカス
血管の青の続きの蓬摘む
翼てふブレーキのある鳥の恋
静止して砂の色なり蜆舟
巻貝の奥まで砂のある遅日
花過ぎのひんやり垂るる犬の耳
落し角阿修羅の捨てし腕ならむ
春北斗河原に探す火打石

篠崎央子(しのざき ひさこ)
1975年茨城県生まれ。「磁石」(「未来図」後継誌)同人。2005年、第8回朝日俳句新人賞奨励賞受賞。
2021年、句集『火の貌』にて第44回俳人協会新人賞、第4回俳句大学大賞受賞。
同年、第9回星野立子新人賞受賞。句集『火の貌』共著『超新撰21』。

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