跨線橋 高貝弘也
夕霧に、空き缶けとばした。
鳴るあてのない 電話を待ちわびていた
いま あなたと出逢った
(いま
かみや。かげうら。あの うら淋しい
かなしい
(そのままあなたを、呼びかけたままで)
根かたの 屎尿。さわがしい、真っ赤な
白褐色に濁った……あの
野の鳥が(しろく)なきたてていた。
あなたは、
尋ねあっている 頬ずり。貝化石。
無償のもの あなたの薄弱なる、すがた
青灰色の 木靈はねて。
生き延びたメダカが うらの溝をはしるよ
つがいが、(抱卵)
――露のゆかり…
あなたは 子を
(川向こうのわたしが……、すっと薄くなっている………
袋叩きにあう、)
愛してる、あなたを愛している
とてもやさしい、裏かみ。
いっきに