ドアノブ　千倉 由穂

ドアノブ

千倉 由穂

ＭＲＩ脱出す魚は氷に

厨房に異国の言葉あり日永

花曇小さきボートに小さき人

町中がどくだみの花潜ませて

近景として紫陽花の傍らに

立葵かつて水路であった道

ドアノブは銀河を抜けてきたひとつ

颱風圏猫は鳴き声のみ残し

秋晴れや空き地に潦入れて

無花果の暗い色剥ぐ台所

千倉由穂（ちくら・ゆほ）

１９９１年生まれ。宮城県出身。「小熊座」同人、「むじな」所属。現代俳句協会会員。第一二回北斗賞佳作。

タグ: 俳句, 千倉 由穂

「作品」の記事

　　 　　 　　　　
• 2024/11/21:第10回詩歌トライアスロン三詩型融合型部門奨励賞連載第1回　植物図鑑　さとうはな
　　 　　　　
• 2024/11/21:第10回詩歌トライアスロン　選外佳作①
　　 　　　　
• 2024/11/15:第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞連載　フールプルーフ　何村 俊秋
　　 　　　　
• 2024/11/08:第10回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞連載　二〇二二年春（後）　山崎 秀貴
　　 　　　　
• 2024/11/01:川柳　あざらしカプセル　細村 星一郎
　　 　　　　
• 2024/11/01:阿哆喇句祠亞　豈　1994～1996　酒卷 英一郞
　　 　　　　
• 2024/10/25:第10回詩歌トライアスロン三詩型融合部門受賞連載第2回　エアへ── 引用感覚に基づくパルティータ　ユウ アイト
　　 　　　　
• 2024/10/25:「自由詩　草図鑑」他　未補
　　 　　　　
• 2024/10/18:連載第3回　最期まである記憶　亜久津 歩
　　 　　　　
• 2024/10/18:やわらかな馬　水嶋 きょうこ