川柳 丁度時間となりました いなだ 豆乃助

川柳 丁度時間となりました                 

いなだ 豆乃助

失言である春の移ろい

てかてかのスカート似合う指導員

食通はわたしを避けるわたしも避ける

座禅組む気障な人ほど咳をする

三年もピザの出前を待っている

食塩のいじられキャラ度MAXで

焚火の日修正テープの替えがない

花鰹十日戎の夜に咲く

若狭湾地図の上では鹿鳴館

新鮭を抱いて突撃寺田町

浜名湖に麹の雨を降らせたい

目に映るウツボカズラの下半身

新しい5番アイアンすぐへにゃる

当たり屋を乗せたタクシー車検切れ

お歳暮のカタログにある賭場荒らし

鍵となる海綿採りが干されてる

あみだくじ遠くの人と結ばれる

ねーそこの左からきた異邦人

爆弾魔発酵バター使い切る

熊の胆が顔に見えます逃げなさい

いなだ豆乃助

1976年生まれ。川柳誌「晴」同人。小学生の頃から詩作を始め、色々な詩形に手を出した結果、最後に辿り着いたのが川柳である。他に「短歌人」会員。詩は詩誌「MAROAD」に発表。

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