逆光に燃えひろがる
亜久津歩
はじめてばらばらになった日
あの闇に紛れぬように火を埋めた
何処よりも暗いところ
いちばんやわらかな わたしの
星月の煩い夜も
微睡を裂く朝も
親友のように 毛布のように
この闇は傍に居て
手離せば
らくになれると云うけれど
それを失くせば消えてしまうよ
あなたがばらばらになるまでの
平凡な 長い道のり
終点は出来損ないの冬日向
ひとひらの雪が静かに地に染みる
までのまぼろしならば もう
十分に耐えたじゃないか
自分に正直に生きなさい
黙祷するように
悪いことをしても