こそあど   松本光雄

  • 投稿日:2018年08月11日
  • カテゴリー:俳句

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こそあど   松本光雄

風や這うものはみな地に充ち渇き
竹林の風騒「ウ」から始まる
木の間から鏡が見える青嵐
どくだみの匂う在所の因童よりわらわ
ものさぶの邑にこそあど月見草
ひとつ民ひとつ言語ことばの世ややませ
荒塚やレバノン杉の種が落ち
アナトリアから鏡が届く半夏生
夏至白夜黒曜石の鏡割れ
鏡像の面の屈折晩夏光

松本光雄(まつもと・みつお)
俳人。2016年7月「LOTUS」同人。
遅まきながら、「現代(近代)」のレクイエムを「俳句」は書くことができるかを考えている。

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