ぽぽす うっかり
風船の戻る港でありたしよ
紅梅の殊に叫びを聞かんとす
るるるるる元々は鷹だった鳩
たんぽぽのきいろうれしくたんぽぽす
菜の花と蝶に化したる昼下がり
チェンバロになりたし指を置かれたし
雨
万物に眼ありけり熱帯夜
さわやかやグラスの水を待つかたち
寒林へ光しずかな人として
うっかり
一九八二年徳島生まれ。徳島在住。二〇一五年夏至より句作開始。
第二回全国俳誌協会新人賞準賞。第十回北斗賞佳作。第一回BFC本選出場。
ひまわり会員。奎同人。一枚の本店主。二〇二二年夏を目途に句集準備中。