思考型のスクランブル 綿貫 悶絶座衛門
底面的な存在意義の下に眠るそこはかとなく仄暗い無意識が人を笑わせる
現実的な眩暈の妖精が実に愉快な絨毯を引いては燃やし
唐揚げの油と
電車の床の扉と
彼がズボンのポケットにかけている傘のナイスな花柄(金魚)は美しい
革靴のてかりは幻想的な曲と際限ない吐き気の象徴である
椅子を見つけては座り
爪を見つけては切る
スーツケースの匂いは車内に充満するし、黒い革靴のてかりは気持ちが悪いのだ
バスケットの中にはサンドイッチがひしめいて鳴いていた
コンパスも方位磁石も本質的に同じであるが呼び方が違う
納得がいかない
ペンは地面に突き刺さって自立して、ビールの泡は最寄駅に通ずる
船の汽笛もライオン・キングも脂ぎったオヤジの頭と何が違うのだ?
ジッパーとかいう口は俺の前では開かないし、誰かの肩にかけられて動いたり揺れたりする
哀れだと僕は思う
想像する空も海も青いのに山は緑だ
工場地帯は灰色だし雲は白い
いっそ目が見えなければいいのだ
何も見えなければ何も見えない
人は人ではないが人であり個人として確立する彼はそれに気づきもしないし、大多数の彼はそれを考える事もない
心の底にあるメンディーと検索する欲求はただ酒の揺れに濡れては漏れ、カバンの布に染み込み臭い
アルファとベータはバツとカバンの金具である
すね毛もメガネもマスクもサイフもGパンもパンティも点字ブロックも矢印もチラシもコンビニも営みであり不滅だ
ありがとう世界
さよなら世界
この世界に生まれてきてくれてありがとう
あのストラップはかわいい
提灯はステキだ
バイクは走る
俺の気持ちなんか知りもしない