Balsamico 若枝 あらう

Balsamico
若枝 あらう

二番目に好きな仕事に選ばれて雨は自分で鳴らせない音
散るよりも朽ちるに近い紫陽花の夏はそうしてやってくること
たくさんの道があるから曲がるときいつも気にしている内輪差
大長編のジャイアンみたい 出身とつなげて口にする街の名は
写真館のショーウィンドウに飾られた家族みたいに思い出す曲
ありふれていいと思えたことこそが若気の至りだったのだろう
違うよな俺は三十過ぎてからクリープハイプを聴き始めたし
バルサミコ酢に沈んだままのエシャロット 夢は死んだら分かるだろうか
いつだって新しく知るメロディにしか望めないことがあるんだ
男なら養えるべきなのですか親指を刺すサボテンの棘
本音こそ弱い アンプに通さずに爪弾くエレキギターのように
雨はもう上がったけれど街路樹の下を歩けばしずくに濡れる
でも夜に男なんだよどうやって怖がらせずに抜き去ればいい?

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