日めくり詩歌 短歌 藤原龍一郎

非常食のつめたき粥をわが口にあたためて母に口移すなり

旭市 山田純子 4月18日読売歌壇 岡野弘彦特選


 作者の住む千葉県旭市は、津波の被害も大きく、避難者も数多くいる。歌の場面は、避難所なのか自宅なのかはわからないが、生存への希求ということで、感動させられる。非常食のお粥の味が、自分と母とをつなぐ絆になっていると読んでよいのだろう。ACのCMのような押しつけがましさがないかたちで、家族の愛の極みというものを表現しえていると思う。

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