日めくり詩歌 短歌 藤原龍一郎 (2011/7/22)

もうニュースは消しておのれに籠もりたり非力な非力な言葉のために

三枝昂之「昼の月」 「短歌研究」五月号


 歌人のみならず、言葉を表現手段として持っている人、いや、そうでない人であっても、この激甚災害を目の当たりにして、言葉の無力を痛感しなかった人はいないだろう。自分の体験を語ることはできても、被災した人たちにどんな言葉をかければいいのか。「俳句」五月号の「被災地にエールを!励ましの一句」という特集で、俳人の高柳克弘はこう記している。「詩歌は社会に対する実効的な力を一切持たないが、そのことを恥じる必要はないだろう。役に立たなければ存在意義がないという考え方が原発を生んだのだから。今後も何の役にも立たない俳句を作っていきたい。」。清々しい俳人の言葉に、三枝
昂之も共感するはずだ。

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