水底論　　　生駒大祐

水底論　　　生駒大祐

葉俯く楡科のなにか冬の園
枯園を日あたる水の出入口
初冬の黄へ朽ち進む大きな葉
万両を来てはればれと水探す
溌剌と枯木を論破する枯木
水門をはしやげる水の叩く冬
混沌や同じ高さを鴨は浮き
枯園に空の張り巡らされゐし
春を待つ水その波の暗さかな
川に張る波こそ淋し冬の暮

生駒大祐子（いこま・だいすけ）
1987年三重生れ。
「天為」などを経て現在無所属。
第三回攝津幸彦記念賞、第五回芝不器男俳句新人賞。
共著に「天の川銀河発電所」など。

タグ: 生駒大祐

「俳句」の記事

　　 　　 　　　　
• 2024/04/05:生活はゆっくり醒める　おおにしなお
　　 　　　　
• 2024/04/05:光悦忌　佐藤 明彦
　　 　　　　
• 2024/03/01:第9回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門次点　マッチ買ひ　寺道 亮信
　　 　　　　
• 2024/03/01:えびせん　古田 秀
　　 　　　　
• 2024/03/01:耳たぶ　冬魚
　　 　　　　
• 2024/02/03:第９回詩歌トライアスロン三詩型鼎立部門受賞連載　グロブスター　尾内 甲太郎
　　 　　　　
• 2024/02/02:川柳　そんなんだったら結婚しようよ　まつりぺきん　
　　 　　　　
• 2024/02/02:川柳　バッドブレインズ体操第一　西脇 祥貴
　　 　　　　
• 2024/02/02:鳥草子十句　丑丸 敬史
　　 　　　　
• 2024/01/05:宇宙蝕　斎藤 秀雄