たまもの   松岡政則

たまもの   松岡政則

からだはべつの意思をもっている時時こまる。
その場かぎりでいきたがる見境がないになりたがる。
蛇苺。あら艸どもの澄みきった息。
 
どんな顔でいたらいいかがわからない。
日本語にはもっとたくさんの音があったというぱぴぷぺぽ。
もう靴ともおもえない脱いでらくになる。
 
台灣のどこでだったか、庭の椅子にじっと坐っておられた嫗。
なにも訊いていないのに(郵便屋さんをまっています。
帰りにもみた笑っておられたあれは永遠です。
 
自分をそんなふうに扱うものではないとかいってやるな。
わからないけどそうしたかったは誰しもある。
猥褻記録記録媒体陳列容疑のおんな。
 
貧しいにもどこかうつくしいがあった。
こどもらの聲はそのままひかりになった。
土徳の地にも、いのちがけで吐いた嘘があっただろう。
 
足もとから流れだしたくなる。
川原にはがんらい名前がない道がない。
水のなかの石とひかり石とひかり鮴がちょこっと動いた今今。

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