火曜日 鈴木一平


鈴木詩修正140125-1
鈴木詩修正140125-2
鈴木詩修正140125-3

火曜日 鈴木一平

(巣に戻ろうとする黒ありが……)
巣に戻ろうとする黒ありが
地図を練習していて
踏んでみた
 
黒ありは、黒ありを踏む足を練習して巣に戻ろうとする
踏んでみた足が
地図に載っていた。それは
 
常に同じやり方としか記憶できない
朝の光に
血の巡りのない経過として書き込まれていく
すみません
これから大久保の方にデモがあるんです先週
そこで知り合ったばかりの人たちが
デモの間中
ずっとくるぶしとたたかっていた
 
黒ありは、経過になった自分を練習しては
それを掲載した地図を歩く
ありの自由だ。この光も
ことばの親戚として
百年後のデモに愛想笑いをするだろう
ありのくるぶしに
書き込んでいる
 
(この冬は)
捻挫した足を処理場の脇に突っ込んでおくと
家に届いた。煙が
軒下に引っかかっている
あらかじめ
生きている限り
聞こえてきた音をくりかえす
その気持ちよさから
ことばを習い続けるうちに
死後の話ができるようになっていく
 
(公園について)
犬の炊き出しに付き合っていると
かわいそうになる
この足は
この足で家に帰るというのがしたかった。このままだと
すき間から顔を出している犬の
肛門と目があった。しきりに勧める手を避けて
うまくより分けながら
スープをよそった
 
この冬は
くりかえし佳境に入りつつあって
腕力で家に帰る子供たちでさえ
むずかしかった
 
(子供たち)
バカヤロウ……
連休明けは火曜日が敵になる
あんなに親しかった
ぼくを見ている。ビールも
死んでしまうための準備を進める
資源としては
かなりのものだ
子供たち


隠し持っている
 
五反田まで一人で帰れない
という彼女に
電車賃の話をすると
コンタクトレンズが火花を散らして飛んでいく
落下地点は
路上が覚えた。それ以降なら
体が覚える駅前も
コンタクトレンズが
すべての足から遠くなる日を
体は
死ぬまで待っていた
 
伝説によれば
水曜日が地球の味方になっている
青の荷台に
資源をのせた
子供たちがそれを見送るための子供をつくった
爪だけで壁に傷を続けた
生きた
這いつくばってもこすり続けた

タグ: , ,

      
                  

「自由詩」の記事

  

Leave a Reply



© 2009 詩客 SHIKAKU – 詩歌梁山泊 ~ 三詩型交流企画 公式サイト. All Rights Reserved.

This blog is powered by Wordpress