生活の絵 鈴木一平
肉体を木炭にして生活の絵を描いている
その山は
谷間にかくれた暗いところが
木炭になった友だちの山を忘れなかった。
寄付してあげようか?
この生活は
血でうごく
だれもいない絵を描くために
(怒りで曲がる木々)
気がついたことを
隅々に書き記していると
自分がいかにまちがっていたいだけなのかを
あらためて
思い知らされる
大陸のことを
最初に考えたひとはとてもえらい。
その当時
私はいずれ
日記帳と呼ばれることになる 祖母の話に
森が取り壊されると
聞いた
風景の森が
自分たちを記憶する
外国のヘルメットを
ひっくり返した
祖母が
庭でうごいていた みみずを
放ってやると
思い出したように乾いて死んでいた
長い歳月がたち
ついに森の隅々まで取り壊されたとき
もの忘れのはげしい記憶は
黒人のひとの
背中が見えた