さくらの花弁、どこに還る  コマガネ トモオ

コマガネ詩20140405-1
コマガネ詩20140405-2

さくらの花弁、どこに還る  コマガネ トモオ

還す場所……(なんか)
土に還る?
 
遠くから来てくれるなり
途絶した詩行、花、その五弁、
(いいかい)
息吹、吹きかけて
(灯す、燃す)
散り散りに(ちり、あくた、粉々に)
 ふわふわしたあたたかい(ふるふるした、やわらかい)
寝床は大地の(空隙の)
熱の風に煽られて(一番有名な空隙は、子宮)
空を漂えば(いくら粉塵でも)
どんな重さの命でも(まだ定義さえないほどに)
いずれは着地できるだろう
 
……(だからこの国は火葬を選んだ。空へ、空へと)
 
最後には(めったに使わない方の、さいご)
いずれ帰す
それまでの(つかの間の)
力みなぎる(めめめんと)
     (めめんとなんとか)
森のうぶすな(うぶすなの、つまり生まれた時からすでにして砂の上)
砂上の楼閣を(礎が砂だったんだねぇ、おぼつかないわけだねぇ)
決してつぶすな(口外するな)
十里塚(百里は来たと思うけど)
秘密だよ
大げさに言えば
明滅で(拍動で、とはっきり言えばいい)
輪郭が正確に描けないということが
生きているということのすべてだ。
(サカサクラゲを見てご覧よ、なにも特別なことじゃあ、ない)
震えて輪郭がぶれるというあまい(定義さえ意味をなさないほどに、もろい)
私たちの境界が
土に還る
(それまでの)
それだけの、こと
花弁、舞う
幾多に、散り散りに(汎用できるようなことじゃあないのに)
増やして(一般化した物語に回収することで)
花(向き合うことをいまはまだ、避ける)
空に舞う
四月の葬送(むしろ、ほんとに、ありがとう)
土に、(空に)
還るんだね

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