首 他    鈴木 康太

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首 他    鈴木 康太

まりなの夢の中に
ぼくの首がでてきたらしい
木に刺さっていたよ、と言うので
じゃあ、ぼくの首は
野菜じゃなくて果物だったんだね
と、返した

そう、とても剛毛な果物だったんだよ、と
まりなが言った まりなは言いながら、体を隠す
そういう時は、絶対に顔を隠さないで
上手に煙草を吸う

ぼくはメンスーラ記号の乳首を吸う

 

福祉

撃たれた鳥が
落ちていくときに見たものは
水玉の
人間たち
屋根は
ほとんど本だった
さまざまな色の本だった

あなたと食べたフルーツゼリーがおいしかった

地面にぶつかる、そのまえに
ぼくは満たされたい
額から顔がでる
それは、あなたの顔で
声はぼくの喉を切る

 

信号

さかむけを前歯でかむと
反応する痛みが穴をつくる
黄色いチーズの気持ちになる
水色トムの気持ちになる
あの子は駆け抜ける
画面の中を
画面さえついていけない
速さで

私はあの子をさかさまにする
光るおなかが
成さない地に這う
点滅のぶんだけ
止まった成長が
悪の記憶が
よみがえる

 

大根をむく
その前に包丁の使い方を教わる
ショーウィンドウが動いている

あなたの身を切ると
糸が解れ
一つがだめになれば全てひらききる
布になりそうだから
私はあえぎを聞きながら
そんなに小さな葉で大丈夫かと
投げかける
風がふく

 

二月

恐竜がひとかたまりになって
私はそれを崩して
配置して
冷えた卵によびかける子どもと共に
私は内実
煙草を吸いたいのだが
こらえて
チョコレートをかむ
中に乾燥苺が入っている
解説を読んでみる

 

離職

手巻き寿司
手巻き寿司
手巻き寿司に
まみれて踊る
まりなは、拍手する
矯正した歯を見せながら
拍手する
僕は、離職した

手巻き寿司
手巻き寿司
手巻き寿司は
カメラの様相
まりなは、ポーズをとる
ぼかしの無い三白眼で
ポーズをとる
僕は、離職した

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