BOTO・BOTO・BOTO…。    豊原清明

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BOTO・BOTO・BOTO…。    豊原清明

狂いはじめる
仮面 土の一部となって
土が コンクリート歩道に
乗っかっているよ
脳震盪を恐れて
脳の揺れを止めるもの
信仰の鴉がやって来る前に。
蜘蛛はあじわう
巣を張って そこに居る
現れたもの 命 冬の華
目前にシャットアウトが起こる
わたしは払う 目前の飛行機を。
黒鴉、鳩とくっついて眠る冬 残光
細い眼で見た古里 狩口台 赤眼 襲来。
溺れる男 君に
君への思いに溺れる男の手足、
彼に 絶対者の裁きが待っている
その日 彼の罪業が罰される
その日を その日を 陽に見つめられて
男は基督の後を追いかけるだろう

BOTO・BOTO・BOTO
心の穴の音。

豊原清明
「第一回中原中也賞」「第41回土井晩翠賞」個人詩誌「白黒目Ⅱ」
同人誌「現代詩神戸」「SPACE」
詩集に『夜の人工の木』『朝と昼のてんまつ』神戸市出身。

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