叙情のためのエチュードⅠ 田中ましろ

  • 投稿日:2012年11月16日
  • カテゴリー:短歌

叙情のためのエチュードⅠ

思いがけない雪に逢う∵∴あなたには引力という名の言い訳を

石ころに引かれて進むこどもたちと思ったらなんだ蹴っていたのか

えんぴつの先に止まっていた午後を希釈してこれからの話を

いっさいを否定できない静寂のあなたに春は触れるなと言う

カーテンをくぐってやわらかくなった風 図書館が深海のよう

夢のなかあなたは光る逆鱗を剥いでξξまるでさよならみたい

コイントスのトルクを測るような人(嘘だ)手と手に意味があふれる

透かしたら翅だとわかり春風に乗せるζζ自由は孤独のひとつ

教科書の偉人じゃ誰がいちばん好きなんて話題で暮れていく駅

消えそうな星にいるのに笑ってて、どうして、と目の奥がつんとなる

似てるかよ そっくりな顔を並べて嘯くだけでもう春の夜

従順なふりをしている犬として∽つむじ風にも耐えなくてはな

作者紹介

  • 田中ましろ(たなか ましろ)

1980年生まれ。コピーライター/CMプランナー。
2009年作歌開始。「短歌サミット2009」や「名短」など短歌イベントの企画・運営サポートを経て、2010年「うたらば」プロジェクトを開始。短歌×写真のフリーペーパーやブログパーツなどを制作しています。2012年10月より「かばん」所属。
うたらば: http://www.utalover.com/

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