時空    鷹山菜摘

  • 投稿日:2019年03月02日
  • カテゴリー:短歌

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時空   鷹山菜摘

おかえりと言うように気をつけている あなたの来る日は靴もそろえて
終わったよ 頭をなでる触れかたで眠りを白いシュレッダーにも
シュレッダーかけるべきものかけ終えて私の統べる部屋は清潔
生理中一応ひかえていたものを食べるよろこび、本能的な
「お墓には相続税が課されません。」蛍光ペンで線を引く箇所
なんとなく映画が観たいなんかいいやつがないかをググる なかった
Cセットサラダとスープ昼食を抜いた日だけの帳尻合わせ
帰り道そっと車がすぐ横に 私あのとき死んだのでしょう
カレンダーアプリを月曜始まりに設定するよそれだけの夜
誰のことも心配せずに玄関のタイルを磨く真昼 まぶしい

鷹山菜摘(たかやま なつみ)
1995年愛媛県生まれ。未来短歌会所属。

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