麒麟へ
ゆーのーみー!なーにーこーのーゆーのーみー!三角やん!めっちゃ三角形やん!
めっちゃお茶呑みにくいですやーん!ヒャーハハッハハハ!…って、今麒麟からの小包に入ってた湯呑み見て、だーりんと爆笑してたとこ~。あ、なんだろ、もう一個湯呑み入ってるのかな?ん、こっちはフツーに丸い湯呑みね?いやちがうわ、側面に丸い穴がいっぱいあいてるよー!だだもれー!お茶だだもれですやーん!ワーハハハッハハハ!麒麟この夫婦湯呑み超イカスねー、どこで仕入れたの?こないだの手紙でさーなんかもーえらく爺くさいことばっか書いてあったからやっぱこいつだめだな絶交だわとか思ったけどあれはジョークだったのね、ほんとのメッセージはこの三角形の湯呑みと穴あき湯呑みに込められてゐると見た!つまりわれわれの世代にをいて俳句とはモハヤ単なる円筒形の湯呑みに 日本茶とぽとぽ、アラっけふは茶柱が立ったよおまいさん、ホウそいつぁすてきに愉快な朝だ、ちょいと一句ひねるかい、なーんつうナマヌルイ日常のトレースではなく…
オイなんだよこの三角形の湯呑みはよ!持ちにくすぎるだろ!呑みにくすぎるだろ!人間工学とか生産効率とかちゃんと考えてんのかよオラ!うっせーなァ、持ちにくいぐらいで丁度いいんだよバカ!握力使えよ!頭使えよ!なーんも考えねえでチンタラ歩いてっからなぁ、丸い湯呑みしか知らねえで死んでいく羽目になるんだ、世の中には丸の数だけ三角もあるんだヨ、あ?まだ文句あんのか。よーしわかった、ならこの穴あきの…だまらんかァー!蓋付きの湯呑みの数だけ穴あきの湯呑みがあるんだッて言ってんだろこのヴォンクラァアアー!!
…という大変実験的かつスリリングなやりとりをやりとる(やりとる?)ためのひとつのツールたりうるのではないか。と。
かういふことだね麒麟くん?うむ、さすがは貴君だ。なかなかやりよる。こんど握手しよう。
で、いまあたしあんまりお金ないからお返しに何あげようかちょっと迷ってるんだけど、うーん。
あ、そうだ。こないだひさしぶりに俳句でも書くかーと思って机の前に座って、あー消しゴムどこかなって引き出し開けたら引き出しの中、ホチキスの針がびっちり詰まってたの。びっくりして隣の引き出し開けたら今度は画鋲がびっちり詰まってた(実話だったり)。
つーわけで、ホチキスの針一生分と、画鋲一生分、どっちがいいかな?ちょっと考えといてね、じゃあな!
虫
虫さんへ
わーお!虫さん、送ってくれた箱に「玉手箱だぜ、嘘だけどよ」と書かれてたから、なんか京の和菓子でも入れてくれたのかと、わくわくしながら開けたらさ…、ねぇねぇ、ホチキスの針と画鋲をモンジャのように混ぜて、ぎっしり入れるなんてどうよ…。
…いや、ありがとう!使いますよ一生分(もう買う必要ナシ)、なんかこう精神的なものがよく伝わりました、麒麟意外と馬鹿じゃないさ。ホチキスの針と画鋲ね、良いもんもらいました、画鋲は投げて遊んだりもできるしね。
あ、ちなみに僕が買った湯呑み、西日暮里で買いました、可愛いでしょ?ダメなとこが…。
さすが虫さん、僕の平和ボケ誘導にまったくかかりませんでしたね、あはは、うそうそ(ちょっとホント)、ボケた平和な俳句を作る虫さんも良いかなとちらっと思ったけど…、やっぱり似合わないね、そういうの。
あ、関係無い話して良い?こないだ送ってくれた銀閣寺の写真、幽霊写ってて怖いからあまり人に見せない方が良いよ。
虫さん今回も俳句送ってくれてありがと、どれも虫さんらしいねー。あれ、僕もだんだん「虫さんらしい」がわかってきたかも。←9通目にして!
お嬢さんだねブスと言えば泣くしドブスと言えば自殺へいへい
虫さん「なぁ、麒麟、わかってねぇよなみんな、死なねぇよ、あんな奴ら、おい飲んでるか?麒麟よ」
麒麟「ファンタで酔わないでよ、虫さん…」
なにもかも知り尽くしたくないのに読書
虫さん「お前なー、俳句の本と漫画しか読まないんじゃだめだろよー」
麒麟「えっ、だめなの!?」
虫さん「…お馬鹿モン」
右乳を蛸に吸わせてお茶どうぞ
お茶じゃないよぉ
てにをはを上手に使う蛸だった
蛸じゃないよぉ
天突く突く天突く突く天天突く傘傘傘
虫さんが入院してた病院でこの句が流行ってましたね、虫さんはいつも歌うようにこの句を呟いてましたね
いやあんやんまあええやん猫発情す
虫さん「季語ばっかり見てんじゃねぇよ、馬鹿やろう、猫でも見てこい」
麒麟「恋猫も季語だもん」
虫さん「千回死んで来い!」
あの時虫さんが投げた画鋲のうち三発がお尻に刺さり、今も時々痛い、いやいや笑うけどさ、虫さん…
うつゲホゲホくつゴホゴホ仮病ですゴフツ
虫さん「仮病だって言ってんだろ、おぉコラ!」
…元気じゃん
るららるらてぃららてぃらてぃら新品のすかあと
すごく機嫌の良い時の虫さんはくるくる回転しながらこの句を歌ってみせてくれますよね。
この句は僕の一番好きな虫さんの句の一つでもあります、わかってんでしょ、僕
すたたんたんたかたんまりとすたすたすつたかすりりんご
俳句を歌うように、うん、歌うように、読み上げるようにではなくて、音符が見えるかのように
遠慮はゐらなひ小指を立てろよ
そして一番大事なのは「らしく」ある事。
虫さん虫さん、虫さんの俳句の一番の魅力はなんなんだろう、何が他の人とは違うんだろう、吐き出すような生の声かなぁ、俳句の常識を外れているところかなぁ。
…あ、あのね、僕は綺麗にまとめて言う事はできないけど、虫さんの俳句には音符が見えるんですよ。
○○や○○○…、って感じじゃなくてねぇ、♪♪♪、♪♪♪♪~、って感じなのかなぁ、そしてその句が読み上げるとまた頭にループして、歌のように続く感じがするんですよ、強い歌、優しい歌、悲しい歌、楽しい歌。
虫さんは俳句を使って歌っているんじゃないかなぁ、僕にはそれがオルゴールみたいに聞こえます、繰り返し聞いていたいような、てぃらてぃら♪
虫さん虫さん、次回で手紙のやりとり10回目だね、五月からやってる手紙のやりとり、返事を待ってます。
ばーい
麒麟