
言の葉の彼方へ 常木みや子
1 気配
深々と沈む褶曲
誰かがどこかで、吃音で泣くのだ、カオスのように、地面が揺れている、
こんな尖った吃音がある、鳥は追いつけない
地の底の窯変する地殻の、海をかみ砕く山河は一つの言霊、地照らす
破壊荒振る神、地を這う呪い地を這う呪い地を這う呪い地を這う
深い穴
腹腔の底からずり上がってくる、吠えるような、ずり上がってくる、燃える目
尖った目、きっかりと方向性をもって、ずりあがってくる、
2 標し
眼鏡をかけている。何でも大きく、何でも小さく見えるのだ。
おとぎ話、私は子に話してはいけない。
危機の危機、
声笑う。
きききききき、きききききき、ききききき、ききき、
地の上で、操られる、言の葉は変幻自在
巫女は住む嶮しい木の上に、鳥のように
巫女の住む嶮しい木のほとり、澄んだ祠の中、捨てられているオリーブの葉は、巫女の標し
そんなことがあったと、標しは過去に靡いている