くゆる眠りは時のあわいへ流れてゆく 岡田ユアン

くゆる眠りは時のあわいへ流れてゆく 岡田ユアン

昨日と同じ朝ですか 
 
お決まりの台詞を 
鳥がなげかけるとき 
樹木は一日で  
いちばん大きな 
深呼吸をする 
 
それは 風をおこし 
グラシン紙のような幸福が 
地上のものをつつむ 
 
たとえ そのつど 
目覚めとともに 
はぎ取られたとしても 
眠りの上に 
ひそかに降りてくる 
やすらぎがある 
 
そのわずかな重みに 
気づき 
手をさしのべるとき 
 
待ちこがれた目覚めが 
まぶたを揺する

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