偸盗 大辻隆弘
砂利のうへの竹あかるくて三月のビルの屋上庭園しづか
わが
ゆふかげは向かうより射し梅の木のしだるる枝のひかりするどし
葦のかたへ
木蓮の花びらははやかそかなる黄のいろを帯び濁りつつあり
もくれんの
うらわかき
花影のなかなるわれはおぼめきて川のながれを
偸盗 大辻隆弘
砂利のうへの竹あかるくて三月のビルの屋上庭園しづか
わが
ゆふかげは向かうより射し梅の木のしだるる枝のひかりするどし
葦のかたへ
木蓮の花びらははやかそかなる黄のいろを帯び濁りつつあり
もくれんの
うらわかき
花影のなかなるわれはおぼめきて川のながれを