手    黒岩徳将

  • 投稿日:2019年03月09日
  • カテゴリー:, 俳句

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手    黒岩徳将

鳥が背を伸ばして手塚治虫の忌
如月や卓より抓む貝釦
うぐひす餅輪ゴムに閉づるとき震へ
傘立てがまだ濡れバレンタインデー
助手席に居て草餅を伸ばしをり
花子さん桜子さんと野遊へ
春遅々とエスカレーターに頬杖
紙風船やはらかき手をわたりけり
桜餅ほどかれてゆく曇り空
春の近江の明けて合挽肉の色

黒岩徳将(くろいわ・とくまさ)
平成二年兵庫県生まれ。「いつき組」「街」所属。
現代俳句協会青年部副部長。
第五・六回石田波郷新人賞奨励賞。
平成三十年度「街」未来区賞。
第九回北斗賞佳作。

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