【短詩】黒い夢   髙鸞石

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【短詩】黒い夢   髙鸞石

硝子器に肉塊一つ俄雨
白鳥暴れ硫黄の谷に夢浸し
放尿し香子蘭の弦を巻き眠る
中古軍服のわれらに辞書のごとき蝶
共喰いする牛の血流れ鏡の階段
火山光り蝮棲みつく足盥
眼球喪失後の銀の列車に釦吐く
議事堂に青い腕落ち縮む月
釘に接吻し重いストーブが墓標の駅舎
凍る乳房またはまぼろしのおやしらず

「俳句」という腐敗した言語のカタマリと、
それに纏わる権威・癒着・不正・妥協・服従
と決別し、「俳句」ではなしえない、現代に
おける言語と創造力の再建のために、私は
「短詩」を書き続ける。

髙鸞石(こう らんせき)
1992年生。2020年、文学としての俳句の終焉と俳句界の腐敗を確認し、
以後は「短詩」として作品を書く。ブログ「悪霊研究」(http://evilspiritlab.livedoor.blog/)

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