Less than   亜久津歩

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Less than   亜久津歩

つづれさせ今日もあなたは生きていた
にくたいの余命について考えるとき
つまらない朝の尊き屋根裏に
甘く旱魃かんばつする言葉

つづれさせ生まれたものはみんな死ぬ
せいしんの余命について考えるとき
すばらしい造花に水を遣る夜の
溝板どぶいたの瘡蓋のした血が疾走る

つまらない日日などという幻は
とうに壊れてしまったのちの
やわらかな雨季に屠られ芽吹くたましい
手のなかの紅葉の色を知らぬまま
散るときがいちばん綺麗なんて言うなよ

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