ダルヴィーシュの鳥たちの歌を待つために フェデリコ・ガルシア・ロルカに    ゲイリー・ダエル(Gary Daher)/宮下 和大訳

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ダルヴィーシュの鳥たちの歌を待つために フェデリコ・ガルシア・ロルカに    ゲイリー・ダエル(Gary Daher)/宮下 和大訳

ダルヴィーシュの鳥たちが歌うとき
大地は花咲き
愛されし太陽が我らの家と我らの庭を満たすだろう

城壁はもはや城壁ではなく
姉妹、あるいは来るものを包み込み
いつも我らを呼ぶ橋になるだろう

しかしダルヴィーシュの鳥たちは
我らの魂が通りを這いずり
大地が
太古の根と腹を空かせた虫たちからなる
苦い粘土の静寂をもって
我らを待つことに固執するうちは
鐘楼で無言を貫く

ある者が私に言った
ダルヴィーシュの鳥たちの歌を照らし出すには
羽の生えた蛇 ケツァルコアトルを
呼び起こす必要がある
創造の水の神
トラロックの恩寵で
しかしここでは誰ひとりとして空の音も
ケルト人がタラニスと 別の者がゼウスと呼ぶ激しい雷も聴かず
耳が聞こえない
ダルヴィーシュの鳥たちの歌を待つことは
何の意味もない

ゲイリー・ダエル(Gary Daher)ボリビア多民族国/
ゲイリー・ダエルはボリビアのベニ州出身の詩人、作家。詩集に「分かちあった誤り」「ナルシスの旅」「聖なる石」など。
古代ギリシアの詩人サッフォー、カトゥルスの翻訳も発表している。

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