おくら納豆      鯨井可菜子

  • 投稿日:2012年08月31日
  • カテゴリー:短歌

おくら納豆      鯨井可菜子

この夏に死なぬ約束コンビニのおくら納豆ねばねば蕎麦と

温泉に足つけたまま撮影のさなかにも出る携帯電話

ついて行くと駄々をこねたる一抱えの校正紙ありて鞄に入れる

ぺらぺらのチケットで飛ぶ夏の日の眼下に小さき志賀島あり

大倉山駅に降りればにんにくの山と売られき西陽のなかに

きまじめに文語の歌を作ってはまた文法を間違っている

代休のうしろめたさが帰り際の羽田にかろき菓子を買わせて

従順なわれら憎みて地下鉄のエスカレーターに吹き下ろす風

代休の前の徹夜と代休の後の徹夜に流星雨あれ

熱を病みながら働く筐体にFAX用紙の吸われてゆきぬ

作者紹介

  • 鯨井可菜子(くじらい・かなこ)

1984年生まれ。福岡県在住。会社員。

2009年「かばん」入会、2011年「星座」入会。

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