ほたるの言葉      中川宏子

  • 投稿日:2012年09月07日
  • カテゴリー:短歌

ほたるの言葉               中川宏子

幾百のたましひ(そら)より降りてきて宵の川辺に蛍光らす

ほたる火はsaint(聖なる)-amour()ね 熱もたぬ愛をあなたを信じたいけど

夏の夜に果てしもあらず飛び交ひてまろき光を放てる蛍

雄は飛び雌は草辺に瞬ひてファムファタール ファタリテド“ほたる(luciole)

遠くより光りつづけてしづかなる蛍のすつと闇にとける()

あをがかる蛍のひかりに囲まれてあの世の河の波の間にゐる

小振りなる平家ほたるは草むらに敦盛のごと潜みをりたり

星ぢやなく蛍火でいい遠くより喩で送られるきみの想ひは

ひそやかに私の傷を縫ふやうに光とびきて前を過ぎゆく

お互ひにほたるの言葉拾ひあひ楡の木の下お逢ひしませう

作者紹介

  • 中川宏子(なかがわ・ひろこ)

結社「未來」所属

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